一方,現在の寝屋川市のWebサーバは静的なページのみしか対応していないため,学校Weblogシステムのようなクライアントサーバシステムは動作させることができない.
Web技術は,常に進化し続け,現在はWeb2.0といわれている時代に,未だ10年前の対応しかしていないシステムであるので,再三要求を行ったが,半年以上,寝屋川市情報化推進室からの返事がない.
そこで,現在は暫定的に自宅の計算機をサーバとして導入する.自宅サーバを運営する上で維持費用は大きな問題である.そこで,サーバ機には,最大消費電力が75Wである,Apple Mac miniサーバ[10]を導入した.
次に,自宅の計算機をWebサーバとして外部に公開するための方法を述べる.まず,インターネット上の計算機を特定するためIPアドレスという0-255の数字を4つ並べたものが使われている.しかし,現在のIPアドレスを4つ並べたアドレスであるIPv4の場合,世界中にある計算機の総数に対するIPアドレスで表現可能な数は非常に少ないものであるので,インターネット空間とイントラネット空間を分けて考えている.ここで,インターネット上の世界をWANと呼び,イントラネット上の世界をLANと呼ぶ.
WAN内では,厳密にインターネット上では常にユニークなIPアドレスであることが要求されるグローバルIPアドレスを用いる.
LAN内では,WANのIPアドレスではなく,IPアドレスを自由に決めることができるが,大抵は特定の決まりに従ってIPアドレスが使われる.LANを構成するマシンの台数によって,クラスA,クラスB,クラスC,クラスD,クラスEの五つの方法がある.ただし,クラスDはマルチキャスト用に使用され,クラスEは実験用であるので,クラスA〜Cまでと考えてよい.
表
より,自宅でサーバを運営する場合,インターネットに接続する計算機の総数は254個以内で充分と考えられるため,クラスCでネットワークを構成することにした.
次に,自宅のサーバを外部に公開する方法について述べる.現在のサーバ機にはグローバルIPアドレスを割り振っておらず,プライベートIPアドレスを用いているため,このままでは外部からアクセスすることはできない.そこで,LAN内からWANへ出るところにあるルータのIPマスカレード設定を行う.
IPマスカレードとは,1つのグローバルIPアドレスで,複数のコンピュータが同時に通信を行うためにイーサネット側のポート番号を各計算機のプライベートIPアドレスごとに割り当てて,ポート番号をNAT変換することで解決する.
しかし,このNAT変換によって,逆にWAN側からLAN内にアクセスした場合,どの計算機にアクセスすればよいのかが,判断できなくなるため,NATテーブルを作り,グローバルIPアドレスのポートごとに,どこの計算機にアクセスをすればよいのかを指定する必要がある.今回の場合では,自宅のサーバ機でWebサービスを提供することを目的とするので,図
のように,ルータの設定で,80番ポートを開放し,自宅サーバ機に割り当てればよい.
さらに,ポートを開放した後,WANからルータに与えられるグローバルIPアドレスはプロバイダによって動的に割り振られている.そのため,接続する度,もしくは一定時間経過の度に,グローバルIPアドレスが割り振られる.
サーバ機の特定はIPアドレスやホスト名によって行われるため,このままでは,常にURLが変わり現実的ではない.
そこで,ダイナミックドメインネームシステムサービス(DDNS)を利用する.DDNSは,接続するごとに,DNSレコードを更新することで,一意なホスト名を提供するサービスである.具体的にはIPアドレスが変更されるたびに,それに対応するホスト名を更新するため,IPアドレスが変更されても,ホスト名は常に一意にすることができる.図
に,今回導入したネットワーク構成を示す.
MURAYAMA Yoshiyuki